□StorNext3.Xからの主な新機能
・64-bit版Windows XP / Server 2003対応(AMD64 / EM64T)。
・Distributed LAN Client(DLC機能)
Custom Protocolを使うことによってLANおよびSANのいずれのサーバからでも、
ネットワーク経由でSNFS領域にアクセス可能(NFSやCIFSよりも高速)。
・Storage Disk with Data Reduction Storage(DRS機能)
ディスク上のデータをパターンで分割したものをStorage Diskにデータ圧縮保管することで、
ディスクの使用効率を向上させる。
・Dynamic Resource Allocation(DRA機能)
ダウンタイム(クライアントの停止)を最小限にして、既存のStorNextファイルシステムに容量の追加が可能。
ファイルシステム内のフォルダを特定のストライプ・グループに関連付けてマッピングが可能(アフィニティ機能)。
□導入するに際してのOS確認
StorNext 3.X は、まず、以前のバージョンに比べ対象OSがだいぶ整理されており、
既存の導入環境ではサポートされないOSがないかチェックしておく必要がある(対応一覧参照)。
Windows環境では、メタデータ・コントローラ(以下MDC)はWindows Server 2003のみとなっており、
SANクライアントからすでにWindows 2000はサポート対象外となっている。
映像編集のターンキー・システムでは、
いまでもWindows 2000プラットフォームをOSベースとしているものが多いのでここは要注意だ。
実際にWindows 2000にインストールをしてみたが、OSチェックではじかれインストールすることはできない。
まずは最小構成で環境構築してみよう。
□2TB Over制限の確認
ストレージのディスク構成(どのようにLUNを組むか→何台のドライブでどのようなRAIDを組むか?)
を行う上で、事前に検討すべきことは2TB Over LUNに関する制限があるか?であればどう処理できるか?
という点。64bitOSへの移行時期、いまだに32bitOSは多く、ここは悩ましい問題がある。
ストレージ製品でも、2TB Overに対応すべくRAIDコントローラ側で機能設定されるものがあり、
またSANクライアント側にWindowsXPの32bitOSがある場合、LUN設定に制限が出てくる。
構築の際に何をやってもファイルシステムが作成できないことになるので注意が必要だ。
◆StorNext検証の基本構成(今回検証)
□RAID/LUN構成の検討
ストレージの構成は、メタ/ジャーナル用に2ドライブをRAID1(ミラー)、データ用に5ドライブでのRAID5を2つで
構成した。
StorNextファイルシステムのメタ・データは重要な部分で、
この部分に問題が起きるとすべてのStorNextファイルシステムにあるデータが認識できなくなるため、
ミラーリング構成とし冗長性を持たせている。
データエリアを2つに構成した理由は、後述するが、StorNextのアフィニティ機能を実現するためだ。
□StorNextインストール&構築
StorNextのインストールは従来からのインストールと大きく変わったところはなく、
事前に構成が決められていれば短時間で終了する。
cvlabelでラベルし、メタ/ジャーナル、データ部分の設定をしていく。
StorNextファイルシステムを作成していく。
インストール直後のコンフィグレーションでは、MDCとなるシステムをIPアドレスで指定しておく。
□アフィニティ機能の設定
LUN毎にデータI/Oの負荷分散を実現するために、
2つのデータ用エリアを同一のストライプ・グループとしExclusive設定とする。
Exclusive設定をすることにより、Writeアクセス制限が効いてくる。
アフィニティ機能を設定しないデフォルトの動作としては、LUNの使い方はRotateとなっており、
Writeするユーザを自動的に負荷分散してLUN毎に振り分けていく。
この部分についてアフィニティを利用してフォルダ指定をおこなえば、ユーザとWrite先LUNを固定でき、
制作ワークフローと合わせたデータフロー(Read/Writeの交通整理、パフォーマンスの効率化)
を設計することで作業効率は向上する。
□ストレージへのアクセス確認
さっそくStorNextファイルシステムにデータ読み書きをしてみる。
SANクライアントからは2つのLUNを束ねたストライプ・グループ全体を認識し、
データ・エリアのすべてのファイルが閲覧できている。
データを書き出し(Write)してみると、ストレージのアクセスLEDは、
作成したデータエリア片側にのみ書いている。
これがアフィニティ機能、すなわち、
LUNやストライプ・グループの構成で、
WriteとReadがコンフリクトすることで起こるパフォーマンスの著しい低下を回避することが可能となる。
しかも、ストライプ・グループ全体をファイル共有しながら。
これがStorNext新機能の素晴らしさのひとつである。
□Distributed LAN Client(DLC)機能
StorNextはLANクライアントをサポートしている。
これは、SANクライアントの1台をプロキシとし、LAN経由でStorNextファイルシステムにアクセス可能とするもの。
LANクライアントはMDCの管理の下ネットワーク経由でデータのやり取りを行うが、
CIFSやNFSとは異なり独自の高速なプロトコルでデータ転送する。
DLCプロキシ設定は、SANクライアントにLANサーバのチェックマークを入れNICの指定するだけで出来る。
プロキシという役割から1台専用とすることが望まれる。
LANクライアントの設定も同様、MDC指定とClientであることをチェックマークするだけ、
あとはStorNextのエリアを任意のドライブにマッピングする。
これでLANクライアントからもSANクライアントと同様にファイル共有することが可能となる。
ネットワークをメタライン1Gとデータライン10Gと分けて使うようなデータフロー設計もいいかもしれない。
□大容量ストレージへの留意点
デジタル映像の分野はハイビジョンなど高精細化が進み、驚くほど大容量ストレージが要求されるようになってきた。
そこで避けては通れないファイルシステム検討の問題がある。
仮に100TBのデータ蓄積を必要とする場合、100TBをひとつのファイルシステムで持つことは、
万が一障害が発生しロストするデータのことを考えればあまりにリスクが高い。
出来れば幾つかのファイルシステムに分散すべきである。
上述、LUNをどのように構成するか?にも大きく関わることだ。
そして、
大容量データの受け皿として堅牢で安定したファイルシステムを選定することがなによりも重要となる。
StorNextファイルシステムは、
大容量ファイルシステムを、その効率良いバックアップを考慮して設計されている。
もちろんバックアップの検討も。どんなカタチであれ、大切なデータは複製を持つ必要がある。
なお、今回の評価には含まれないが、StorNext Storage Managerを併用すれば、
StorNextファイルシステム上のデータを、いわゆるHSMとしてアーカイブすることが可能である。
また、アーカイブ時にデータ複製を作成できるコンフィグレーションが可能なので、
結果としてStorageManagerを利用することが、バックアップにもなることを言及しておく。
□StorNextをどう活かすか?
さて、StorNextのこうした機能をデジタル映像制作に最大限活用するには、
導入前の綿密なシステム設計&インテグレーションが必要である。
ポイントは以下になる。
・一時的なゲートウェイ、アーカイブなど蓄積・共有するデータの位置づけ・蓄積期間を明確にし、
データ保全の仕組みをどのように持つかを決定する。バックアップやミラー構成を計画的に検討しておく。
・DLC機能を活かして、帯域を要求されるSANエリアとそれを中心としたLANエリアとで、
映像制作ワークフローを効率良く構成する。
・映像制作・編集の基本は「元データ読み込み→編集・加工→編集データ書き出し」のデータフローであり、
ファイル共有機能を活かし、読み込み先/書き出し先の配置を設計、コピー作業の回数を可能な限り減らす。
・ストラテジー機能やアフィニティ機能を活かし、
データフローがストレージの同一LUNに対して、同時にRead/Writeが起きないようなワークフローとする。
・ファイル共有だけでなく、データ共有〜ファイル共有する複数アプリケーションの映像データ・フォーマット〜
を整理、変換部分を読み込み/書き出しのデータフローに盛り込む。
StorNextは高価だという意見をよく聞く。残念ながら、
ただのファイル共有ソフトウェアとして使われることの多い日本では"不遇のソフトウェア"かもしれない。
しかし、StorNextは独自の『ファイルシステム』でファイル取扱いを格段に効率化したソフトウェアである。
ファイルシステムとしての堅牢性・安定性・拡張性、
I/O効率の良いアフィニティ機能(Dynamic Resource Allocation機能)や
MDC管理のLANデータ高速転送(DLC機能)などを充分に活かして導入するならば、
それ以上の価値があるだろう。
※評価内容・データの詳細はお問い合わせください。

| ■ StoNext 3.1.2 対応一覧 |
●File System/MDC, SAN Client
Red Hat Enterprise Linux 4:x86 32-bit/64-bit / IA-64
Red Hat Enterprise Linux 5:x86 64-bit
SUSE Linux Enterprise Server 10:x86 32-bit/64-bit / IA-64bit
Sun Solaris 10:SPARC
Windows Server 2003:x86 32-bit/64-bit
IBM AIX 5.3:64-bit Power Architecture
●SAN Client Only
Windows XP:x86 32-bit/64-bit
Windows Vista:x86 32-bit/64-bit
Windows Server 2008:x86 32-bit/64bit
Sun Solaris 9:SPARC 64-bit
Sun Solaris 10:Opteron and Intel x86 64-bit
HP-UX 11i v2:PA-RISC / IA-64
SGI IRIX 6.5.29, 6.5.30:64-bit MIPS
●Distributed LAN Client and Server
Windows Server 2003:x86 32-bit/64-bit
Windows XP:x86 32-bit/64-bit
Red Hat Enterprise Linux 4:x86 32-bit/64-bit / IA-64
Red Hat Enterprise Linux 5:x86 64-bit
SUSE Linux Enterprise Server 10:x86 32-bit/64-bit / IA-64bit
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協力 : 日本クアンタムストレージ 株式会社、日本ソルテック株式会社

株式会社シーコム・ソリューション事業部は
デジタル映像制作におけるデータの伝送・蓄積に関するベスト・ソリューションをご提供致します。
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